忘れさせて 先生・・・・
ブランケットを 左手に抱え 部屋の扉のノブに手を掛けた

「おやすみ」

そう言うと 寝室の扉を閉めた

部屋の電気を消して ベッドに入る

シーツは さっき 先生が 着替える時に 何気なく 代えてくれていた様で 洗剤の匂いがする

目を瞑り 眠ろうとするが 全く 眠れない

どれぐらい 時間が経っただろう

あまりにも 眠れないので 寝室のドアに手を掛け そっと 先生を 探す

月明かりの中 ソファに 背中を押し付け タバコを吸っている先生を見つけた

ドアの開く音で 先生が こっちを見た

「先生」

「うん? どうした?」

暗闇の中おそるおそる 先生に近づいた

ソファの近くまで来ると 先生が そっと手を差し伸べてくれた

その手に導かれるように 先生の隣に座った







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