忘れさせて 先生・・・・
先生は 何も言わずに また パソコンの画面に目を落とした

私は 真人の電話を取らなかった事からの罪悪感からか 先生が まだ 私と真人との関係を変に誤解されていないかという 不安感からか 勉強に集中出来なくなっていた

同じ問題を解き続けているが 全く解答にたどり着く気配がない

「まだ 続けるの?」

頭の上から 声がした

見上げると 先生が冷蔵庫から出した ビールを片手に持っている

「オレ 飲んでもいい?」

「うん・・・・・」

「ビール飲んだらもう 送って行けないからね 大丈夫?」

なぜ そんなことを 改めて聞くのか不思議だった

「1人になりたい 帰りたいって 泣いても どうしようもないけどいい?」

その言い方が 可愛くて 思わず笑った

「じゃー 週末だから 飲んじゃおう!!」

先生の嬉しい顔を見て 私まで 笑っていた

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