忘れさせて 先生・・・・
でも、一人で居る事に耐えられなくなってきた

2階に駆け上がり、池山先生の携帯の番号が書かれた紙をじっと眺めた

何か電話する口実を・・・・・・

テストでもネタにするかなぁ?!!!

携帯の液晶の光が目に痛かった

呼び出し音が、長く感じられた

3回目のコールで、乾いた声の池山先生が出た

「もしもし」

「先生??」

「あ!田中?」

「うん、よくわかったね」

「あぁ」

「どうした?」

「うん・・・・・・」

『テストをネタにしようと思ったのに、言葉が出ないよ』

「先生、今どこ?」

「自宅だよ」

「もしかして、寝てた?」

「ばか、子供じゃねーぞ。そんなに早く寝るか」

『いつもと、キャラクターがちがう??』

「え~寝起きの声ぽかったよ」

『よかった。いつもの感じで話せた。私緊張してる???』

「で、どうしたんだ。また、一人で泣いてたのか?」

「・・・・・・・うん。それに近いかな?」

「田中、今 1人? 」

「そうだよ」

「もう、メシ食った?」

「まだだよ」

「メシ食いに出かけようか?」
< 45 / 266 >

この作品をシェア

pagetop