忘れさせて 先生・・・・

一度だけ、送ってもらった場所で、待ち合わせをした

その場所がみえたときには、もう一台の黒い車が止まっている事に気が付いた

すこし、足早に歩いた

黒いブーツのヒールの音だけが規則正しくあたりに響きわたった

助手席のドアを開けた

「ごめんなさい。待ちましたか」

そう声を掛けると、先生は持っていたタバコをゆっくりと消した

「大丈夫だよ」

「私服になると、感じが変るな。女は怖いよ。」

そういって、ニヤリと先生が笑った

「そうですか？」

「援交に見えないように、気を使っただけです。」

「そうですか。お気を使わせまして・・・・」