あたしは、悪魔と契約しました。
抱きついてきたあたしのことを、キツク、、、ただ抱き締めるだけ。


だから、尚更、、、不安になった。


帰って、くるよね?


「帰ってくるよ。ここ、あたしの家だし」


あたしの問いに、咲良は笑って返事を返す。


だけど、そんな咲良の言葉の裏に、、、


「もう、会えないよ。だぶん」


そんな言葉が、見え隠れする。


嫌だ、よ。


あたしは咲良がどこにも行かないように、あたしも咲良のことをキツク抱き締める。


どこにも、行かないで、、、


そんな、思い込めて、、、


でも咲良はいつもの時間になると、そっとあたしから離れ、立ち上がる。


そして何も言わず、鞄を手にすると、玄関へと向う。

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