あたしは、悪魔と契約しました。
そんなあたしに見かねて、咲良が口を開く。


「千尋の「ち」は、「千」」


千?1000?


「千尋の「ひ」は、「ひ」、「ふ」、「み」、「よ」の「ひ」」


ひ、ふ、み、よ?数字?って、ことは、、、


ひ=1?


「千尋の「ろ」は、「ロク」」


ロクって、6?


「「1016」で、千尋。忘れないで」


ふっと優しい笑みを溢し、咲良は家を出て行った。


「1016」で、千尋。


1016、1016、1016、、、


あたしはその数字たちを忘れないように、頭の中で何度も繰り返した。


この数字に、何の意味があるのか?


この時のあたしは、これっぽっちもわからなかった。

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