あたしは、悪魔と契約しました。
「お前、いつもここに居たんだよ」


ここ、に?


どうしてあたしは、いつものここに居たんだろう?


「ねぇ、哲也?哲也とあたしは、どうやって出会ったの?」


今まで、1度も哲也に聞いたことはなかった。


1度も聞こうとも思わなかったけど、、、


なぜか今、無性に知りたくなった。


あたしと哲也の始まりを、、、


哲也はあたしに視線を合わせることなく、話し始める。


「いつもお前は、ここに居た。何も映さない様な瞳で、ずっとここに」


その時のあたしのことを、哲也はどんな気持ちで見ていたの?


「だから、、、」


そう言い、哲也はやっとあたしの瞳を見る。

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