あたしは、悪魔と契約しました。
「千尋、大丈夫か?」


そんなあたしに気付き、聡が慌てて声を掛ける。


あたし、何を忘れたの?


どうして、記憶を消したの?


そこに、何があるの?


「千尋。落ち着け。思い出さなくても良い」

「思い出したいの!!!!」


哲也の時は、思い出すのが怖かったのに、、、


さっきのあやふやな記憶を、どうしても思い出さなきゃいけないような気がした。


ハァハァと、肩で息をする。


「ごめん、聡。1人にして、、、」


今のあたしを1人にするのに、抵抗があったのか?


聡は中々、頷かない。


「お願い。少し、休みたいの」


その言葉に、聡は渋々部屋を出て行った。

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