あたしは、悪魔と契約しました。
「千尋。千尋は、生きてる!違う?」


あたしは、さっきと同じように首を横に振る。


「生きるって、苦しくて、辛くて、大変なのこと。でもね?それは生きてる人間だけが、味わうの。生きてるからこそ、味わえるの」


今、生きてるから、、、


「その友達のことを、千尋は見殺したかもしれない。でも、、、」

「でも?」

「生きてる人間は、、、幸せになって良いの。だから、辞めなさい」


あたしは、奥さんの顔を見る。


奥さんは、そんなあたしに優しく笑いかけた。


「不幸に慣れるのも。幸せになることを拒むのも、辞めなさい」


そして、ギュッとあたしのことを抱き締める。


「千尋は、いっぱい苦しんだじゃない」


あたし、、、苦しんだ?

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