あたしは、悪魔と契約しました。
届かないとわかっていながら、想い続ける。


「哲也、ありがとう。あたしと出会ってくれて」


そして、ゆっくりと瞼を上げる。


、、、帰ろう。


そう思い、立ち上がる。


、、、あ。


今あたしが居る場所からは少し遠くにある、橋。


そこに、哲也の姿があった。


ジッと、こちらを見ている。


『いつも、ここで何を見てる』


昔、哲也があたしにそんなことを尋ねたことがあった。


ねぇ、哲也?


哲也はいつも、そこに居たの?


そこで、何を見ていたの?


そして、今は、、、何を見ているの?


「そこから、何が見える?」


あたしは哲也に向って、そんな言葉を投げかける。

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