あたしは、悪魔と契約しました。
哲也がどれだけの時間、相手を殴っていたか?


それが、長かったのか?


それとも、短かったのか?


それは、あたしにはわからなかった。


哲也は「楽しい」と言った喧嘩に、飽きたのか?


殴る手を止め、その場に立ち尽くす。


そして、酷い姿になった相手のことをジッと眺めていた。


そんな哲也に、あたしは、、、


「楽しかった?」


そう、尋ねた。


哲也は入って来た時のような、鋭い視線をあたしに浴びせた。


だけど、相手があたしだとわかると、、、瞳が、揺れた。


1度交わった視線は、哲也によって逸らされた。


あたしは、間違っていたのだろうか?


もっと、違う言葉を掛けるべきだったのだろうか?

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