あたしは、悪魔と契約しました。
わかっていながらも、あたしは何度も問い掛けた。


雨だって、自分が雨になりなかったよね?


みんなから好かれる、晴れになりたかったよね?


もしも選べるなら、嫌われものになりたくなかったよね?


それはまるで、雨と自分を、、、重ねているようだった。


そんな自分に気付き、飽きれる。


「バカ、みたい」


ポロッと、自分の口からそんな言葉が零れ落ちる。


「お前を「バカだ」って言わないで、誰に言うんだよ」


なんて、聞きなれた声が耳に届く。


あたしは、声のした方に振り返る。


、、、哲也。


そこに、あたしと同じように傘も差さず、何度か見たことのある制服を見に纏った哲也が居た。

< 60 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop