あたしは、悪魔と契約しました。
黒の車の前で手を離され、哲也は慣れたように車に乗り込む。


あたしは、どうすれば良いんだろう。


そんなあたしに、、、


「乗れ」


そんな言葉を、哲也は向けてくる。


乗れ。と言われても、、、


あたしは、ずぶ濡れなわけで、、、


こんな格好で車になんて乗ったら、迷惑になる。


そう思い、その場でウジウジしていると、哲也に腕を掴まれ、強引に車の中へと引き寄せられた。


車の中に居た、運転手とミラー越しに目が合い、、、


「すいません」


自然と、そんな言葉があたしの口から零れる。


「気にしないで下さい」


運転手は、本当に気にしていなのか?


笑顔で、そんな言葉をくれた。

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