あたしは、悪魔と契約しました。
ふと、、、


『哲也は、あたしのなんだから。誰も、、、渡さない』


頭の中に、香織の言葉が浮かぶ。


哲也は、モノじゃない。


だけど、、、


決して、あたしのモノにはならない。


だって、、、


哲也は、香織の、、、モノだから、、、


あたしがこの手を握っては、いけないんだ。


あたしまで、哲也の手を取ってしまったら、、、


哲也の負担が、増えてしまう。


哲也の重荷になんて、あたしはなりたくなんか、、、ない。


お荷物。


そう、あの人たちと同じ目で、、、


哲也から、見られたくない。


その一身で、あたしは哲也の手を、、、握れなかった。


今のあたしにとって、哲也は、、、光だったから、、、


だから、その儚い光を、、、


今の気持ち1つで、手放したくなかった。

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