『好き』と伝えるのは難しい
ー堂本財閥の屋敷の前
屋敷の前に救急車が1台止まっていた。
栞菜『瑠夏ちゃん!』
そう言って、駆け寄ってみると瑠夏ちゃんは衰弱とまではいかなが、元々痩せていた身体は更に痩せ細っていて、笑顔が消えていた。
久しぶりにみた瑠夏ちゃんは、私の知っている梨華……、瑠夏ちゃんとは全くの別人になってしまっていた。
翼『おい、瑠夏。俺が誰かわかるか?』
瑠夏『………栞菜ちゃんと翼くんでしよ?それくらい、分かるわよ………。』
翼『そっか。なら、病院に行くぞ。』
瑠夏『ヤダ。病院は行きたくない。』
栞菜『じゃぁ、私達の家に来ない?』
瑠夏『病院に行くくらいなら栞菜ちゃん達の家に行く。』
栞菜『そっか…。なら、行こっか!』
栞菜『(本当、翼は昔っから女心が分かってないわね。)』
翼『(うっせぇー。)』
瑠夏『………………。』
それから瑠夏ちゃんは、一切喋らずに桂木財閥の家に着いた。