先生と恋をしました。


慌てて廊下を走る。


校舎に夕日が差し込みオレンジ色きた輝く廊下を全力で走り玄関へ向かう。



藍沢先生…


先生の胸に抱かれていた感触…


先生に握られていた手はまだ熱を帯びていて…


明らかに自分の中の何がざわついていた。


心臓の音もうるさい…

そして苦しい…



今はまで感じたことのない感覚に私はひたすら怯えていた…


いつも何気なく歩いている帰り道なのに、今日は一段と長く感じる…


まだ先生に触れていた部分は熱を帯びていて、胸のあたりにもやもやする何かがある。


先生が私に与えたのは何?

あんな短い時間に、心の扉の鍵をほじられたのか…

あんなに固く高い頑丈な鍵をつけているつもりでいたのに…

一瞬にしてこじ開けられそうになった…


これからどんな顔して先生と接すればいいわけ?

嫌いだったはずなのに…今ははっきりと言えない…


でも好きとも言えない…



これが恋なの?



恋ってこんなに苦しいものなの?


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