先生と恋をしました。
「それで今日はなんで呼び出したの?」
「うーん。…単に俺がお前不足だったからかな?」
「はぁ?」
「なんだよ!いいだろ!」
「…いや、毎日会ってるでしょ」
「でも、お前と二人っきりっていう機会がなかったから…
そばにいるって言ったのにそばにいてやれてないんじゃないかとおもって…」
「…ぷ!ははは!」
「おい!なんで笑うんだよ!」
「だってかわいくって…
二人っきりで会いたいからってテスト中に紙なんかで知らせて…
ただ会いたかったからって…」
「いいだろ!本音だし…」
「でもありがと!私のこと心配してくれてたんでしょ?
だからそばにいてくれてるんだもんね。」
「そうだ!それなのに全力で笑うなよ!かわいいとかも!」
「だってクールでかっこいい藍沢先生がこんなにかわいいことするって知ったらみんなドン引きするよ!」
「悪かったな!でもこんな姿お前の前でしか見せないから…」
「…そうですか。それじゃ今日はこんな先生の姿が見れてよかったかな!」
しばらく抱きしめられながら空を見ていた。
「…先生?」
「なんだ?」
「そろそろ話してもらってもいいですか?」
「どうして?俺はまだこうしていたい」
「いやでも…
ここ…教室だから誰か来たらどうするの?」
「…ちっ!それもそうか…
んじゃ準備室行くか!」
「いいえ、今日は帰ります。」
「そうか。もう6時だしな。
なら送ってくよ。」
「わかりました。」
「先に少し歩いててくれ。」
「はい…」
先に玄関を出て、帰り道をゆっくり歩いていた。
暗くなってきた空を見て思う。
さっきの先生はこんな感じだったなぁと
静かに月の光に照らされて星が見守る。
優しく、静かに、私を包み込む。
夜空を見ながら歩いていた。
「高瀬!」
隣に車を寄せて窓から顔を出し、私を呼ぶ。
「隣乗って」
おとなしく言われた通りに先生の隣に座った。