先生と恋をしました。
「いやー、でも…」
「えっ!そんなに困るの?
甘えとけよ!」
家の前まで送ってくれるのはありがい…
だが…
誰かいたら、お父様にばれてしまう…
「先生は私の家がどういう家かご存知ですか?」
「高瀬の家?いや、知らないけど…」
「…それじゃこの辺でいいです!」
「いやそんな訳にもいかないだろ?」
「いや、でも…」
まずい…
見つかったら…
家のこと知らない人がどういう反応をするのか…
そんなのわかってる…
先生に惹かれるに決まってる…
「そんなにまずいことなのか?」
「その…」
バシッ…
手を握られて体を引かれた。
「…俺は少しでもお前と一緒にいたい。
だから、最後まで送りたい…
ダメか?」
えっ!
先生、そんなこと思ってたの…
これは先生にすがってもいいのかな…
「…先生…」
「なんだ?」
「つきましたよ…
私の家…ここです…」
はぁ…話してるうちについてしまった…
「…ここ、おまえんちなの?」
「…はい…」
ほら、やっぱり先生も驚いちゃってる…
引いてるよね…
目の前にあるのは大豪邸。
正面の門からは庭がみえ、中央には噴水。
その奥にお城のような大きい家がある…
明らかに、これはお金持ちが済むような家って感じなのだ…
「…おまえ高瀬財閥の令嬢だったりするの?」
「……はい…」
「…やっぱり…」
「…先生、引きましたよね?」
呆れた顔をして頭を抱える先生…
「…今日はすいませんでした…
私帰りますね…」
「まてっ!」
「え?」
「俺、お前がお嬢様でも関係ないから!
俺が好きなのは高瀬遥佳だから!
家なんて関係ないから!
さっきは突然でびっくりしただけだ。
引いてなんかいない。
むしろなんでお前が心を閉ざしたままでいたのかわかったよ!
だから、俺はお前を嫌いになったりなんかしないから!」
ありがとう…先生…
こんなことを言ってくれたのはあなたが初めて…
目の中に涙をこらえる。
「先生!今日はありがとうございました!」
「ああ!また明日な。」
先生が車を走らせ帰っていく。
車と先生に深く礼をする。
今日はなんだかいいことが多すぎて…
心がいっぱいいっぱい…
先生の優しさに癒されたわ…
先生、ありがと!
先生の車が見えなくなったのを見て、家の中へと入っていく。
よかった…周りには誰もいなかったみたいで…
でも今日はよく眠れそう!
夏の夜空によって私と先生の距離は少しだけど縮まった…