先生と恋をしました。
「おはよう遥佳」
「おはよう麗」
この子は私の中学からの親友の麗。
麗は一般家庭の普通の子。
私が金持ちで実は頭がいいことも知っている、私が唯一心を許せる子…
私が金持ちで贔屓されるのが嫌だってことも知っている。
心が広くて私をありのままで見てくれる子。
一番大好きな人…
「学校始まっちゃったねー」
「ほんとめんどくさい。どうせつまんないんだから、行く意味ないよ。」
青春の一文字すら感じさせない高校生活。私にとっては退屈なだけ…
「あっそうだ!今日新しい英語の先生来るらしいよー!!」
「そっか、斎藤先生産休に入るんだっけ?その代わりの先生か」
「そうそう!男かな!?イケメンかな!?」
「あんまり期待しないほうがいいよ。
漫画じゃないんだから、そんなイケメン先生がくるわけないんだよ。
そんなこと言ってないで早くいくよ。」
「っあ!ちょっとまってよー」
イケメンの先生が来たって私には関係ない。
「よかった!遥佳とまた一緒のクラスだよ!」
「ほんとだ。騒いでないでいくよ。」
私はいつもこんな感じ。
冷めてるよねとかよく言われる。
2年C組が私と麗のクラス。
「おはよー!!今年度もよろしく☆」
またこいつと一緒か…
1年の時も一緒だった間宮蓮也。
いつもうるさい。でもいつもクラスの中心にいる。ムードメーカー的存在だ。
蓮也のことを無視して自分の席に座る。
「え!無視かよ!」
「蓮也朝からうるさい」
「ほんとなんであんたはいつもこうなのさ!少しは落ち着いたら?」
「おい、麗までそんなこと言うなよー。これが俺の持ち味なんだよ」
続々と教室には生徒が入ってきていた。
新しいクラスになって教室中騒ぎまくっててうるさい。
少しは静かにしてほしい。
「まじかよ!高瀬遥佳と一緒のクラス!俺今まで頑張って来た甲斐あったよ!」
「あー美しい…俺もう幸せ…」
男子はいつもそう。
私を見るなりこうやってネタにする。
清楚で美人でおしとやか…
運動もできて優しい…
そんな印象が定着している。
確かに無口であまり人と関わろうとしないのは事実。
色々とめんどくさいからが一番の理由だが…
私をそういう目で見てくる男子は本当に嫌いだ。
吐き気がする。
私は平和に暮らしたい!それだけなのに…
キンコンカンコーン♪
「全校生徒は至急体育館に集合しなさい。繰り返します。全校生徒は………」
「始業式とかめんどくさいなー」
「ほら遥佳、いくよ!」
「はいはい」
麗に引っ張られながら教室から体育館に向かう。