先生と恋をしました。
放課後…
コンコン
「失礼します。」
「おっ!きたな!英語準備室に資料あるんだ。来てくれ」
言われるがまま先生の後をついて英語準備室へ…
ガラガラ
本棚が両方の壁にあってたくさんの資料で埋まってる。
窓の前に机が一つあるだけの狭い部屋…
「そこの机の上に置いてある資料にそのハンコつけて持ってってくれ。」
はぁ?
これ雑用じゃん…
「あのー、藍沢先生これは私がやることなのでしょうか?…
雑用じゃないですか?」
「うん、雑用。
俺、赴任してきたばっかりでさ片付けとかもできてなくってね。
自分のクラスの生徒なら迷惑かけないし、疑われないしね。」
「疑われるって…?」
「生徒と教師が二人っきりでいるところとか見られたら、自分のとこの生徒ですっていえば、なんとかなるでしよ?」
「んまぁ、確かに…」
「それにお前と話してみたかったしな!」
…えっ!
一瞬引き込まれそうになった。
不意にもドキッとしてしまった…
冷静に冷静に…いつもの私にもどれ!
「先生、生徒にそんなこと言ったら誤解しちゃいますよ。」
「ちょっとは俺に興味もった?」
「…いいえ、呆れました。こんな先生が担任なんて…」
「結構ひどいこと言うね…でも、俺は君に興味を持ったよ!見た瞬間にね!」
えっ…
「だって高瀬、俺が教室に入ってから一度も目を合わさない。
ずーっと外を見てただろ?
俺、そんな高瀬の姿に引き込まれちゃったよ!絵画みたいでさ!」
「絵画って…人を馬鹿にしてるんですか?」
なんなのこの人…
人のこと見るなり絵画って…
私はれっきとした3次元の人間だっての!
「でもほんとに目を惹かれたんだ…
一瞬時間が止まったかも思うくらい短い時間なのにずっと見てた感じになったよ」
「………」
そんな目で言わないでよ…
なんでそんなに愛おしいものを見るような目で私を見るの?
これ以上私に刺激を与えないで…
「高瀬?大丈夫か?顔赤いぞ?」
「赤くなんてありません!」
「高瀬もそんなに声出すんだな、静かそうなのに。
余計気に入った!
今のお前いつもと違って可愛いぞ!」
「………」
「ほらまた赤くなった!」
「なってません!」
この人といるといつもの冷静さがなくなる。ペースを乱される。
不意にも先生に可愛いと言われて動揺してしまった。
他の男子から言われてもなんとも思わないのに…
藍沢直斗…要注意人物だわ!