あなたの隣ってあいてますか?



私は、この3年間会社の人と新年会や忘年会以外に、食事や飲みに行ったりしたことがなかった。

佑といることが多かったからだ。

仕事が終わり、更衣室で着替えていると、清瀬さんも隣に来た。

すると、急に…

「伊原さん、今から時間ある?」

「え?は、はい」

「よかったら、今からご飯食べにいかへん?」

「え?私でいいんですか?」

「他に誰がいるん?」

「あ…そうですね、お願いします」

「じゃあ、着替えよう」

すると、清瀬さんは眼鏡を取り、髪の毛を解いた。

「え?」

「何?びっくりした…」

「清瀬さん、絶対に絶対にこっちの方がいいです!!」

「え?あ、眼鏡?」

「髪の毛も!!」

「あ、ありがとう…」

「可愛い…」

清瀬さんは、オンとオフをきっちり分けているらしく、仕事の時は仕事がしやすい格好にしているらしい。

オフの時は、特に気にすることもなくノーメイクでいることが多いらしい。

清瀬さんと私は、最近出来たビュッフェスタイルのお店へ向かった。

「私、ここに来たかってん」

「私もです」

食事をしながら色んな話をした。

私は、一番聞きたいことを聞いた。

「あの〜清瀬さんの…」

「私の?」

「好きな人って…」

「あ…」

突然、黙ってしまい、顔が赤くなった。

「やっぱり、進藤さんですか?」

「ええ?あ…う…ん」

「可愛い!可愛すぎます!清瀬さん!」

「恥ずかしい…」

「私、今の清瀬さんなら絶対いけると思います!」

「そうかな?」

「はい!私、応援します」

それから、私の“くっつけ作戦”が始まった。



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