あなたの隣ってあいてますか?
仕事が終わり、待ち合わせ場所のいつもの居酒屋へ。
私が到着して、30分後に羽田さんが到着した。
「ごめん、遅なって」
「いいえ。私がいつも定時に上がるだけなんで」
「今日は、いつもより荷物多くて大変やったわ…」
「お疲れ様です」
「まだ、何も頼んでないん?」
「はい」
「ビールでええ?」
「はい」
「すんませーん。生中2つ」
羽田さんはいつも通り。
皆で飲んだ時も、幹事のように飲み会を進めてくれる。
「ちなっちゃん、何食べる?ちなっちゃんは、ようさん食べるからな…」
「羽田さんにお任せします」
「ちなっちゃんが好きそうな油物にするわな」
「はい」
これもいつも通り…
羽田さんは、一人一人の好みを何故か覚えている。
「せや、ちなっちゃんに相談があんねん」
「相談ですか?」
ちょっと、深刻な顔になった羽田さん。
「実はな、俺…好きな人がおんねん」