あなたの隣ってあいてますか?
キタ〜これは、もしかして…
あの、蛍さんが言ってたこと?
いやいや、そんなはずないしな…
ご飯行こうって誘われてだけやし…
けど、待って…
「好きな人おんねん」って、そう思ってる人に言う?
言わんよね…
しかも、相談って…
私の妄想が先走る。
「はい。で…」
「ああ…相手やねんけど…」
「はい」
なんだか、言いにくそう。
しかも、羽田さん照れてる。
「ちょっと、言いにくいな…」
「じれったい」
「ごめん」
羽田さんは、何回も深呼吸して…
ふぅー…
「実は、進藤…」
「え?え?え〜え」
え?え?それって…
羽田さんは、ゲイ??
「そんなにびっくりするか?」
「いや、なんか、その…」
「そうやんな…」
まさかの、まさかのカミングアウトに私は唖然としてしまった。
逆に、羽田さんは困った様子で頭を抱えていた。
「そうやんな…びっくりするよな」
「…はい」
「誰かに聞いて欲しかってん」
「いつからですか?」
「進藤ちゃんのこと?」
「はい」
「進藤ちゃんがうちの会社入って来た時から」
「じゃあ、蛍さんよりも早いですね」
「うん。でも早さじゃないねんな」
「そうですね」
「あかんな…軽蔑するやろ?」
「いや、しませんよ。誰かを好きになるのは素敵なことです」
「好きになるのはね」
意外な事実を知ってしまった…
この話は、誰にも出来ないな。
ましてや、蛍さんには絶対に言えない。