あなたの隣ってあいてますか?



キタ〜これは、もしかして…

あの、蛍さんが言ってたこと?

いやいや、そんなはずないしな…

ご飯行こうって誘われてだけやし…

けど、待って…

「好きな人おんねん」って、そう思ってる人に言う?

言わんよね…

しかも、相談って…

私の妄想が先走る。

「はい。で…」

「ああ…相手やねんけど…」

「はい」

なんだか、言いにくそう。

しかも、羽田さん照れてる。

「ちょっと、言いにくいな…」

「じれったい」

「ごめん」

羽田さんは、何回も深呼吸して…

ふぅー…

「実は、進藤…」

「え?え?え〜え」

え?え?それって…
羽田さんは、ゲイ??

「そんなにびっくりするか?」

「いや、なんか、その…」

「そうやんな…」

まさかの、まさかのカミングアウトに私は唖然としてしまった。

逆に、羽田さんは困った様子で頭を抱えていた。

「そうやんな…びっくりするよな」

「…はい」

「誰かに聞いて欲しかってん」

「いつからですか?」

「進藤ちゃんのこと?」

「はい」

「進藤ちゃんがうちの会社入って来た時から」

「じゃあ、蛍さんよりも早いですね」

「うん。でも早さじゃないねんな」

「そうですね」

「あかんな…軽蔑するやろ?」

「いや、しませんよ。誰かを好きになるのは素敵なことです」

「好きになるのはね」

意外な事実を知ってしまった…

この話は、誰にも出来ないな。

ましてや、蛍さんには絶対に言えない。


< 25 / 70 >

この作品をシェア

pagetop