あなたの隣ってあいてますか?
「いつから、その、同性を気になり出したんですか?」
「う〜ん…物心ついた時から」
「今まで、お付き合いした人とかいるんですか?」
「うん。10年ぐらい前に彼氏がいた」
「へぇ」
「2年ぐらい付き合って別れた。その後に、試しにって言ったら悪いけど、女性と付き合ったけど、やっぱり違って、一週間ぐらいで別れた」
「そうですか」
「ごめん。こんな話されても困るよな」
「いや、なんか嬉しいです。相談してくれて。でも、進藤さんは…」
「うん。諦める。あの二人お似合いやしな」
「そうですね。羽田さん苦しかったんじゃないですか?」
「まぁね…進藤ちゃんは、仲のいい同僚と思ってるからな」
「新しい恋出来るといいですね」
始めは、正直引いた。
けど、人を好きになるってどうしようもないと思う。
ただ、その相手が同性だっただけ。
「私、また話聞きます」
「ありがとう。なんか、ちなっちゃんに話聞いてもらってよかった。また、ご飯いこうな」
「羽田さんのおごりなら行きます」
「おお、是非な」
それから、私と羽田さんはよく食事に行くことになる。
そして、次の日に蛍さんから「昨日はどうやった?」と聞かれた。
「ああ…そうですね…楽しかったです。でも、友達ですね。ははは…」
「そう…進展はなかったんや」
これ以上話をするとボロが出そうなので、仕事に専念することにした。