あなたの隣ってあいてますか?
アカイスーパーが見えてきて。少し道が広くなった。
すると、樹くんが私の手を握ってきた。
「え?」
「樹…ごめん。ちなっちゃん…」
「いえ、大丈夫です」
三人で手を繋いで歩いた。
「こいつ、相当ちなっちゃんのこと、好きみたいやな…」
「そうなんですか?光栄です」
「人見知り強くて、初対面の人とは自分からは、絶対喋らへんねん。祥太くんは、年近いからかな?」
「そっか…」
「「ゲームしよ」って言った時は、びっくりしたわ」
「樹くん、またゲームしようね」
「ちなつには勝てるからいいで」
「ちなつさんやろ!ちなっちゃん、ごめんな」
「いいですよ。ちなつで…じゃあ、私も樹って呼ぶね」
「ええよ」
「調子乗るな」
楽しく会話しているうちに、家の前に着いた。
「ここなので…」
「じゃあ」
「本当にありがとうございました」
「また、来週」
「お気をつけて」
いい人だな…磯田さん。樹も。
奥さん、幸せなんやろうな…