あなたの隣ってあいてますか?



私は、実家暮らしで、父、母、と三人暮らし。

二つ上の兄がいるが結婚して、家を出ている。

「ただいま〜」

「お帰り。風呂沸いてるよ」

「ありがとう!さすが!お母さん。じゃあ。入ってきます」

すぐに、お風呂に入り、ゆっくりしていた。

明日は、進藤さんと蛍さんの結婚式だから、お顔のお手入れは念入りに…

すると…

♪ ♪ ♪

円からの着信だった。

『は〜い』

『ちなつ?』

『円は、家着いたん?』

『うん。磯田さん、帰ってきはってから、解散したよ』

『ホンマにちゃんと“ちゅうさん”に戻りはったんや〜』

『磯田さん、優しい人やな。ちなつをちゃんと送り届けるなんて。今まで“レインボー”には、そんな人いなかったもんな』

『そうやな』

『磯田さん、お医者さんなんやろ?』

『円、知ってたん?』

『キャプテンが話してたよ。樹くんも懐いてたし、傍から見たら三人親子みたいやったで』

『そんなん、奥さんに悪いわ…
磯田さんが旦那さんやったら、奥さん幸せやな…』

『それは、聞いてないんや…』

『え?何が?』

『磯田さん、独身やで』

『え?そうなん?』

『うん。樹くんが2歳の時に離婚してんて』

『そうなん?!』

『それから、実家に戻ってクリニック継いでんて』

『へぇ…そうなんや…』

『狙っちゃう?』

『まだ、だって、会ったばっかりやし、よく知らんし、わからへんよ』

『じっくり、考えて。来週な、私、休むから』

『そうなん?社員旅行?』

『そう恒例の…』

『わかった。お土産よろしく』

毎年恒例の大変な社員旅行に行く円は、来週お休み。

磯田さん、そこまでは話してくれなかったけど、奥さんいてないんや…

だから、樹は甘えてきたんかな?


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