あなたの隣ってあいてますか?
披露宴が始まった。
佑は、親族席だから席は離れていて助かった。
佑がいることは、忘れて2人のラブラブぶりをカメラにたくさん収めた。
お色直しで、進藤さんと蛍さんが退場して歓談タイムになった為、私は、お手洗いに席を立った。
お手洗いで手を洗っている時に、個室から女性が出てきた。
「あ…」
「いや〜ちなつちゃんやんか!」
「ご無沙汰しています」
「何?どうしたん?こんな所で会うなんて…」
先程確認できた佑のお母さんだった。
「何?どうしたん?こんな所で会うなんて…」
「さっき、佑大くんにも会ったんですけど…進藤さんの会社の同僚なんです」
「そうやったん。尚くんの…世間は狭いな。元気にしてた?」
「はい」
佑のお母さんは、8年間の間で色々とお世話になり、よく家に遊びに行っていた。
佑がいない時でも、お菓子をつまみながら世間話をした。
「佑大な、ちなつちゃんと別れてから彼女おらんのんちゃうかな?家には女の子連れて来うへんし…」
「そ、そうなんですか…」
「また、いつでも遊びに来て!佑大関係なしに」
「あ、ありがとうございます」
行けるわけがないけど、一応お礼だけ…
それから席に戻り、佑を見ないようにした。
けど、別れて2年経って、「お互いの好きな道に進もう」っていってたし、浮気もしてたのに彼女がいないわけがないよ。