あなたの隣ってあいてますか?



披露宴が始まった。

佑は、親族席だから席は離れていて助かった。

佑がいることは、忘れて2人のラブラブぶりをカメラにたくさん収めた。

お色直しで、進藤さんと蛍さんが退場して歓談タイムになった為、私は、お手洗いに席を立った。

お手洗いで手を洗っている時に、個室から女性が出てきた。

「あ…」

「いや〜ちなつちゃんやんか!」

「ご無沙汰しています」

「何?どうしたん?こんな所で会うなんて…」

先程確認できた佑のお母さんだった。

「何?どうしたん?こんな所で会うなんて…」

「さっき、佑大くんにも会ったんですけど…進藤さんの会社の同僚なんです」


「そうやったん。尚くんの…世間は狭いな。元気にしてた?」

「はい」

佑のお母さんは、8年間の間で色々とお世話になり、よく家に遊びに行っていた。

佑がいない時でも、お菓子をつまみながら世間話をした。

「佑大な、ちなつちゃんと別れてから彼女おらんのんちゃうかな?家には女の子連れて来うへんし…」

「そ、そうなんですか…」

「また、いつでも遊びに来て!佑大関係なしに」

「あ、ありがとうございます」

行けるわけがないけど、一応お礼だけ…

それから席に戻り、佑を見ないようにした。

けど、別れて2年経って、「お互いの好きな道に進もう」っていってたし、浮気もしてたのに彼女がいないわけがないよ。


< 46 / 70 >

この作品をシェア

pagetop