あなたの隣ってあいてますか?
電車での帰り道、羽田さんとは途中で別れ、徒歩で8分程の道のりを歩いていた。
すると、鞄に入れていたスマホに着信があった。
佑からだった…
出るか…
出ないか…
考えているうちに、着信が切れた。
すると、また着信が…
そうや!はっきり「嫌だ」と断ればいいんや!
ふぅーと一呼吸してから…
『はい』
『おっ、やっと出たな』
『…』
『出るか、出えへんか迷ってたやろ?』
『それより何?』
『ちなつと喋りたかってん』
『それだけ?』
『それだけ』
そうこうしているうちに、アカイスーパーまで来てしまった…
アカイスーパーの入り口にある、ベンチに座わりながら話を続けた。
『もう、喋ったから切るよ』
『待って。もう少し話しようよ』
『私は、話すことない』
『俺はある』
『…』
『この2年何してた?』
『話するようなことはしてない』
『俺な実は…』
実は何?