あなたの隣ってあいてますか?



私は、佑の行動に腹が立っていた。

「なんでここにいるん?」

「だから、ちなつを待ってた」

「何のために?」

「こないだの返事聞こうと思って…」

この前、電話で「もう一回やり直さへん?」と言われた件…

「こないだの電話ちなつ、一方的に切ったやろ?」

「だって、前にも言うたけど、ああいうことを電話で言う?」

「だって、俺の気持ち早くちなつに伝えたかってんもん」

ガチャッ…

家の玄関の扉が急に開いた。

「あら〜佑大くん?いや〜久しぶりやんか!」

母が、お隣さんに回覧板を持って行こうとしていたところだったらしい。

「こんばんは、ご無沙汰してます」

「こんなとこで、喋ってんと中入って、入って」

「お母さん、いいよ。もう、佑帰るから」

「お言葉に甘えて、上がらせてもらいます。お母さん、相変わらずお綺麗ですね」

「いや〜佑大くん、上手いわ〜
お母さん、ちょっとお隣に回覧板届けて来るわ」

もう!なんで、佑を家に上げるの?

こいつ、この後に及んでウチに居座る気やな…

また、はっきり断れないままになってしまった…



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