あなたの隣ってあいてますか?
「なぁ〜伊原、俺な…」
「うん」
「伊原ちなつが好きや」
「へぇ〜?」
「伊原が好きや」
「えっ?」
私のこと?好き?え〜?
いきなりやん!
「どう?付き合わへん?」
「…」
「まぁ、もう一緒に帰って1ヶ月やし、そろそろ言うてもいいかなって思っててんけど、さっきの田中先輩の話聞いて、我慢できんかってん」
私は、嬉しくて、恥ずかしくて、訳がわからなくて、一歩、二歩、三歩…
だんだん、佐山くんから離れてしまった。
「なっ、伊原…って、おい、大丈夫か?」
「うん」
「そこの公園のベンチ座る?」
「うん」
私たちは、自転車を押して公園に入り、ベンチに座った。
沈黙の後…
「改めて、伊原好きや!付き合ってください」
「…はい」
「よかった…はぁ〜ほんまによかった」
「い、いつから?」
「2年の始めから」
「そんなに早く?」
「あん時は、あんまし喋ったことなかったけど、可愛いなって…」
「…」
私は、顔が火照ってきた。
「二学期始まって、席隣になって、ラッキーって思って、どうしたら喋れるかな?って、だから、いろんな物借りててん」
「だからか…」
「携帯番号とかも聞きたいけど、周りの奴らに聞いたら怪しまれるし、面倒やからノートに俺の番号書いた」
「へぇ」
「伊原はいつから俺のこと好きやったん?」
「好きって言うてな…」
「さっき、好きな人から告られたら付き合うって言うたやん」
「あ…うん。
わ、私は…一緒に帰るようになってから」
「そっか、俺の作戦成功やな!」
「作戦やったん?」
「だって接点がないから、なんかで作らな仲良くなられへんやろ?」
「そっか…」
「じゃあ、これからよろしくな!ちなつ!俺のこと佑大でも、佑でもいいから」
「うん。よろしくお願いします」