恋も試合も全力で!


そして、近付く裄の顔。

あたしは静かに目を閉じた。

重なる、唇。


やっぱり裄の唇は温かいね。

あたしを安心させてくれる。


「で? なんで最近拗ねてたの?」


あたしの手を握って問いかける裄。

こんなこと言って、引かれないかな?

不安だったけど、あたしは言った。


「…裄が、何もしてこないから」

「へ?」


思いがけない言葉にびっくりしたのか

少しまぬけな裄の声。




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