恋も試合も全力で!


裄は、握ったあたしの手におでこを乗せた。


「裄?」


呼びかけるあたし。

すると裄は言った。


「じゃなくてさぁ…そんな可愛いこと言われたら、我慢できなくなるから」

「へ?」


裄の言葉に、今度はあたしがまぬけな声。


「お前に魅力がないとかじゃなくて、俺ずっと我慢してたの! 手出して嫌われたくなかったし」


はぁー、と溜め息を吐きながら言った裄。


「キスする度に、押し倒したいって思ってたよ。けどずっと我慢してた」




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