恋も試合も全力で!
そう言ったら
あたしの緊張をとくように
優しいキスをくれた。
「大丈夫だから」
「うん…」
また裄があたしの胸に顔を埋めた時だった。
「浅海ー! 裄くーん!」
叫びながら階段を上がってくる母親。
裄はすぐにあたしの上から降りてそばに座った。
あたしは布団をかぶって、中で乱れた服を直す。
「浅海、具合どうー?」
ドアを開けて入ってきた母親。
「だ、大丈夫だよ」
「でもまだ少し赤いわね」
これは熱のせいじゃないんだけどね。