恋も試合も全力で!
あたしは勢い良く裄の手を振り払った。
そして、一気にまくし立てた。
「何なの? 何で裄はそうなの?」
裄が驚いた顔をしたのには気付いた。
けど、言い出したのは止まらない。
「何で怒ってるか? 分かんないの!?」
「‥そんなの、分かるわけねえだろ」
少しムッとした表情で、裄が言う。
「恩田さんとあんなにベタベタして、あたしが何とも思ってないとでも思ってんの!?」
「別にベタベタなんてしてねえだろ!」
「してるよ!」