恋も試合も全力で!


その時、聞こえた声。


「梨元っ」

「は、はい!?」


いきなりの呼びかけに、どもるあたし。

あちゃー…
変な子だよ、あたし。

しかも今の声、裄くんだよねぇ!?

ああー、最悪だぁー。


「梨元、どうしたんだよ?」

「え!? あ…うん、なんでもないよっ」


ごまかしきれてないよ~。

あたしって、ほんとだめだな。


「ならいいけど。とりあえず、おはよう」

「あ…おはよう」


おはようを言う為に呼んでくれたんだ。

普段は意地悪だけど、やっぱこんな時優しいな、裄くんって。




< 23 / 463 >

この作品をシェア

pagetop