恋も試合も全力で!
「あの二人は、俺にとって大事な存在なんだよ。特に浅海は」
俺がそう言うと、更に拗ねる恩田。
今日の恩田、マジ意味分かんねぇんだけど。
その時。
「あれ? 梨元さん?」
いきなり声をあげた恩田の視線の先には、
公園の椅子に腰掛ける浅海の姿。
目の前には、一人の男。
「梨元さん、男の人といるよ? 浮気?」
「いや、あれは‥‥‥遼多?」
浅海の前に立つのは遼多。
浅海の目元を指で拭って、腕を引っ張り引き上げる。
そのまま遼多に手を引かれ、フラフラした足取りで歩いていく浅海。