恋も試合も全力で!
恩田はそれを聞くと、少し顔を歪めた。
そして、呟いた。
「あたしが入る隙間は、これっぽっちもないのかな?」
「え?」
恩田の言葉が、上手く理解できなくて。
目が合った恩田の口から発せられた想い。
「好き」
一瞬、時が止まったかのように思えた。
恩田が俺を好き?
嘘だろ?
「中学の時からずっと、裄が好きだった。だから‥梨元さんと別れて、あたしと付き合ってほしい」
まさか恩田が、俺を想っていたなんて。
考えてもみなかった。
だからあんなに、呼び方にこだわってたのか。
俺にくっついてくるのも、好きだから。
まさか浅海は、恩田の気持ちを知ってて、不安になってたのか?