恋も試合も全力で!
「今日、一緒に帰れる?」
小さな声で聞くと、裄はまたあたしの頭に手を乗せた。
「5限が終わったら、教育学部棟の玄関で待ってて」
「…うん!」
あたしは嬉しくて、つい笑顔になった。
裄はあたしに手を振ると、そのまま槇達と歩いていった。
あたしはレポートを両手でギュッと掴むと、
軽い足取りで和田先生の元へと向かった。
「へ? 進路?」
そんなあたしに、和田先生から言われた言葉。
「そう。梨元ももう4回生なんだし、就職活動始めないといけないだろ?
希望の就職先とかあるのか?」
「えっと………」