恋も試合も全力で!
2.前日
図書館で暇つぶしに本を読んでいると。
…気付けば夢の中だった。
ハッとなって体を起こす。
空はもう、光を落としていた。
「や、やばいっ!!」
あたしは図書館を飛び出した。
時刻はもうすぐ6時を指すところ。
5限は5時40分までだから、完璧遅刻だ。
教育学部棟まで全力で走ると、壁にもたれる裄を見つけた。
「裄っ! ごめん!!」
裄に向かって、必死に叫ぶ。
あたしに気付いた裄は、少しムッとした顔をしてる。
「浅海、遅すぎ」
「ご、ごめっ…」
「こんな時間まで何してたわけ?」