恋も試合も全力で!


「梨元は、どうしたいんだ?」


それも、聞き飽きた。

そして、答え飽きた。


「保育士として、働きたいです…」

「それが決まってるのに、何が決まらないんだ?」


あたしもよく、分からない。

分からないっていうか、決められないんだ。


どこを就職の場にすればいいのか、はっきりと浮かんでこないから。


「梨元。決めるなら、早めにしろよ。遅ければ遅いほど、就職口は減っていくんだから」

「はい…分かりました…」


少し落ち込みながら、小さく返事をした。


あたしだって、分かってるんだ。

焦りだって、感じてる。


だけど、働いてる自分がなかなか想像できなくて。

就職に対して、後ろ向きになってしまってる。




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