恋も試合も全力で!


裄は、一つ一つ語りかけるように話す。


「それは、槇も一緒だった。
バドを仕事にできたらって、ずっと思ってたんだ」


裄の口から話される、初めて聞く思い。


バドを仕事にしたいなんて、初めて聞いた…


「それでな、和田先生とずっと話してたことは、そのことだったんだ」

「そのことって……?」


あたしの中で、まさかという思いが駆け巡る。

裄の口調的に、一つしかない。


裄は、静かに言った。


「プロにならないか、って言われた」

「プ…ロ……?」


裄の言ってることが、分からなかった。

いや、頭が分かろうとしてなかった。


現実からあまりにも遠くて、理解できなかった。




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