恋も試合も全力で!


『あたしは、こっちに残るよ』

「え……?」


悲しそうな声で、綾子は言った。


こっちに残る。

それって…


「槇に……ついていかないの…?」

『いかない』


はっきりとした口調で、綾子は言い放った。

ついていかないって、まさか…


「別れるんじゃあ…ないよね?」


あたしは、不安になりながらも綾子に聞いた。

すると。


『別れないよ』


その答えを聞いて、少し安心した。

二人には、別れてほしくなんかないから。


「じゃあ、遠距離ってこと?」


そう言ったあたしに。


『ううん……それとも違うよ』


綾子は、言った。




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