恋も試合も全力で!


「東京、あたしも行きたかったけど」


綾子は、空を見ながら呟いた。


綾子はきっと今、槇を想ってるんだよね。

遠くに行っちゃう、槇を。


「あたしも槇も、まだまだ子供だから。
ちゃんと大人になるまで、槇を待ってなくちゃね」


そう言って、綾子は笑った。

涙の光る目で。


「槇と綾子なら大丈夫だよ、きっと」


あたしの、素直な気持ち。


槇は絶対に、綾子を迎えに行くよ。

だってあんなに、綾子を愛してるもん。

気持ちが変わったりなんてしないよ。


「裄と浅海も、別れたりしないでね。
あたしが東京に行った時は、二人で出迎えて」

「うん。約束する」


あたしは綾子と、小さく指切りをした。




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