恋も試合も全力で!
卒業式の3日後、
槇の出発の日が来た。
空港に、あたしと裄と綾子は向かった。
「じゃあ裄、先に行って待ってるな」
「おう」
笑顔を向けるあたしと裄の少し後ろで、
綾子はずっと泣いていた。
「綾子。泣くなって」
槇がそう綾子に声をかけると、無理だというように綾子は首を左右に振った。
それを見た槇は、綾子の元へと近寄った。
「最後くらい、笑顔見せてよ」
槇の言葉に、綾子は顔を上げたけれど、
その瞳からは更に涙が溢れ出した。
「ま、きっ」
綾子の声は、掠れてて。
それを聞いた槇は、つらそうに顔を歪めた。