恋も試合も全力で!


槇が東京に行ってから1週間後。


あたしと裄の、出発日がきた。


空港には、綾子、芽生、璃紗、遼多、香波、仁。

みんなが来てくれていた。


「槇も行っちゃって、浅海と裄も行っちゃうんだね…」


寂しそうに、綾子が呟いた。


「綾子。近くにいてあげられなくてごめんね」


槇がいなくなって、綾子のそばで支えてあげたかったのに。


「何言ってんの。あたしより、裄のこと大事にしなきゃダメでしょ」


綾子は、そう言って、あたしの頭に手を置いた。


「槇がいなくても、浅海がいなくても、あたしは大丈夫だから。
気にせず東京行きな?」


綾子の笑顔に、あたしは一気に涙が溢れ出した。


いつも泣いてるあたしだから、今日は泣かないって決めてたのに。

みんなの顔見てたら、涙が止まらない。




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