恋も試合も全力で!


「あーもうー、浅海はすぐ泣くー」


綾子が、呆れたように呟いた。

それでも、あたしの涙は止まらない。


「あんたが泣いたら、あたしまで泣いちゃうでしょっ…」


そう言った綾子の声は震えてて。


「笑顔で、見送るって……決めてたのに………」


綾子の目からも、涙が零れた。

あたしは、綾子に抱きついて。


「綾子っ………」


綾子と離れたくないよ。

ずっと一緒にいた綾子。

大好きな綾子。

東京に行ったら、そんな綾子はいない。


「遊びに行くからっ。電話もメールも、いつでもしてきていいんだからねっ」


綾子は、あたしを抱きしめながら言った。

あたしは何度も、首を縦に振った。




< 458 / 463 >

この作品をシェア

pagetop