恋も試合も全力で!
「あーもうー、浅海はすぐ泣くー」
綾子が、呆れたように呟いた。
それでも、あたしの涙は止まらない。
「あんたが泣いたら、あたしまで泣いちゃうでしょっ…」
そう言った綾子の声は震えてて。
「笑顔で、見送るって……決めてたのに………」
綾子の目からも、涙が零れた。
あたしは、綾子に抱きついて。
「綾子っ………」
綾子と離れたくないよ。
ずっと一緒にいた綾子。
大好きな綾子。
東京に行ったら、そんな綾子はいない。
「遊びに行くからっ。電話もメールも、いつでもしてきていいんだからねっ」
綾子は、あたしを抱きしめながら言った。
あたしは何度も、首を縦に振った。