恋も試合も全力で!


裄の隣に戻ると、別れの時間が迫っていた。


「じゃあ、行くか」


裄に言われ、差し出された手に、自分の手を重ねた。


「みんな…またね」


手を振ると、みんな笑顔で振り返してくれた。

みんなの笑顔が眩しくて、あたしはまた、涙を流した。


「頑張って!」

「また会おうね!」


みんなの言葉を背に、あたしは裄と飛行機の中へと入った。



席に座った途端、

涙が溢れ出して止まらなかった。


「ふっ………ぅぅ……」


泣くあたしを、優しく抱きしめてくれる裄。


寂しい。

みんなと離れるのが、寂しいよ。


「浅海。
俺ら、幸せになろうな。
ずっと一緒にいような」


そう言った裄に、あたしは小さく頷いた。

自分の決断に、後悔しないように。

裄の隣にいて良かったって、思えるように。




< 460 / 463 >

この作品をシェア

pagetop