恋も試合も全力で!
裄の隣に戻ると、別れの時間が迫っていた。
「じゃあ、行くか」
裄に言われ、差し出された手に、自分の手を重ねた。
「みんな…またね」
手を振ると、みんな笑顔で振り返してくれた。
みんなの笑顔が眩しくて、あたしはまた、涙を流した。
「頑張って!」
「また会おうね!」
みんなの言葉を背に、あたしは裄と飛行機の中へと入った。
席に座った途端、
涙が溢れ出して止まらなかった。
「ふっ………ぅぅ……」
泣くあたしを、優しく抱きしめてくれる裄。
寂しい。
みんなと離れるのが、寂しいよ。
「浅海。
俺ら、幸せになろうな。
ずっと一緒にいような」
そう言った裄に、あたしは小さく頷いた。
自分の決断に、後悔しないように。
裄の隣にいて良かったって、思えるように。