恋も試合も全力で!


とぼとぼと歩くあたし。

やだよー、裄ー

あたしを捨てないで。


別れたらいいじゃん、なんて思っておきながら捨てないでなんて

都合良すぎだね、あたし。


泣きそうになりながらも、伏せている顔を上げた時。


「あ……」


前から歩いてくる、裄の姿。

気まずいよー。

なんで会うのー。


ヤバい。
まじで泣きそう……。


溢れそうな涙をこらえて歩く。

すれ違うとき裄は、


何も言ってくれなかった。




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