恋も試合も全力で!


あたしはその場に立ち止まった。

喧嘩って
こんなに悲しいものだったっけ?


いつもなら、喧嘩してても“おはよう”ぐらいは言ってくれる。

それが今回は無視。


やだもう……

こらえていた涙も、あっさり溢れ出して。

止まらないよ。

ねぇ、

涙が止まらないよ、裄。


あたしが謝れば、済む話。

正直に、

『寂しかった』

そう言えばいいだけの話なのに。

不器用なあたしには、それができない。




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