恋も試合も全力で!
うぅっ…
気まずいよ…
何か喋んなきゃ。
けど何も出てこない。
「浅海、どっか具合悪いの?」
その時、
気まずそうに裄が聞いた。
「ううん。寝不足だっただけ」
本当は泣いてたからなんだけど…
そんなこと言えないし。
だって、裄が原因なんだもん。
「…裄は?」
恐る恐る、問いかけた。
「ああー…俺? 体育で突き指しちゃってさ」
そう言って見せてくれた左の人差し指は、
少し赤く腫れていた。